今月の花だより（2023年12月5日）
現在開花している植物
海浜植物園の開花状況や見ごろの植物の情報をお知らせします♪
温室
シャコバサボテン（温室前通路）
葉茎が江戸前のお寿司のネタにある蝦蛄（シャコ）に似ているのでこの名がついたとされます。クリスマスの頃に花がさくので「クリスマスカクタス」という別名もあります。鮮やかな赤と緑の対比が目を引きます。
ポインセチア（リカレント研修室）
メキシコ原産で寒さに弱いのですが、初代アメリカ駐メキシコ大使、ポインセットさんが紹介して、苞や葉の赤と緑がクリスマスカラーだったり、カタチが星を連想させるなど、すっかりクリスマスの植物として定着しました。
シクラメン(リカレント研修室）
ポインセチアと一緒にリカレント研修室に鉢を並べました。花が少ない冬の時期、室内がぱっと明るくなります。春先まで次々花を咲かせ、長く楽しめます。
タビビトノキ（花は咲いてませんが皆さん立ち止まっておられるので）
2023年新たに植栽したもので苗とは思えない大きさです。マダガスカル原産で沖縄などにも植栽されます。現地では２０ｍもの大きさに成長するものもあります。名前の由来は葉の付け根に雨水をため乾燥地帯の旅人ののどを潤したからとか、東西に広がる葉っぱのカタチをコンパス代わりに使った…諸説あります。時々小さいお子さんを連れの方が「大きいねー」と話しているのを見かけます。
ゴレンシ（スターフルーツ）実
実をカットすると断面が星のカタチなのでこの名がついたとされます。食べたことがないので味はわかりませんが、カタバミ科の植物なので酸っぱいのかな？と想像です。ちょうどクリスマスの時期サラダなどにいれたら映えそうですが、スーパーに売っているのかな？
ツワブキ（温室・ふれあい園）
晩秋から初冬にかけて黄色の明るい花が咲きます。名前の由来はつやのあるフキに似た葉「艶葉蕗（つやはぶき）」から「ツワブキ」になったとされます。お寺や日本庭園によく植えられますが、もともとは海岸の岩場などに自生する海浜植物です。よく見ると白い毛でおおわれていて寒さに強そうです。
グラスチューブ（つる性植物・鉢物のコーナー）
ハナキリン（グラスチューブ）
ポインセチアと同じトウダイグサ科の植物です。一年中こんな感じですが、クリスマスっぽい雰囲気です。 キリンとつくのはイエスキリストのことでイエスキリストが処刑されたときこの植物で作られた冠をかぶっていたという怖い説があります。トゲだらけなので痛そうです。近くによく似た「トゲナシハナキリン」があります。こちらの方が冠をつくるのによさそうです。
ニンニクカズラ（ガーリックバイン）
グラスチューブで11月から次々花を咲かせています。濃い紫から淡い紫まで写真だときれいですが、花や葉を傷つけるとにんにくの匂いがすることからこの名がついたとされます。
ヤハズカズラ（グラスチューブ）
「ツンべルギア」の名前で多くの園芸品種が出回っています。もともとは蜜源植物としてハチミツを採るのに沖縄や小笠原など暖かいところに植えられたそうです。花をよく見てみるとミツバチが入り込むのにちょうどの大きさのブラックホールが見えます。
展示庭園
クチナシ（実）
2023年中庭に香りの植物、キンモクセイ、ジンチョウゲと一緒に新たに植栽したもの。花は終わりましたが実を見つけました。こちらは漢方薬や染料に使われており、おせち料理のきんとんやたくあんの着色に使われています。発酵させると青い色素ができ、ソーダ―味のアイスキャンディーの着色に使われます。そう聞くと親近感がわいてきますね。
ウラジロモミ（植物園入口付近）花は咲いてませんが時期的にいれました。
クリスマスツリーといえばモミの木。葉の裏が白いことからこの名がつたとされます。モミの木は氷見市内でもみかけますが、こちらは、内陸の標高が1000メートルから2000メートルぐらいの涼しい場所に自生、長野県に多く諏訪大社の御柱（おんばしら）祭りにも使われる神聖な木です。
ソテツ（芝生広場ほか）冬支度完了
今年は夏暑かったせいか園内にあるソテツはほぼ花を咲かせていましたが、外に植栽されているものはコモが巻かれすっかり冬支度が整いました。暖かい地方から来られた観光客の方から見ると珍しい光景だったりするのかな？
担当者からひとこと
今月はクリスマスらしい植物を中心にコメントを書きました。花の少ない時期ですが、色鮮やかな植物を見て、明るい気分になってもらえたらうれしいです。